テレワークが広がりつつある昨今では従業員の仕事状況を把握するために監視ツールの導入も増えてきています。実際に僕自身が勤める会社でも監視ツールが導入されてかなり堅苦しい思いをしています。
今回はテレワークに監視ツールが導入されて体感していることをまとめました。結論から言えば監視を意識してしまうことでストレスが溜まるだけでなく、生産性が下がってしまっています。その理由をご紹介していきます。
もくじ
監視ツールを導入することのデメリット
まずはテレワークの監視ツールを導入することのデメリットをご紹介します。
主なデメリットは以下の5つです。
・テレワークのメリットが損なわれる
・生産性が著しく下がる
・管理が過剰になってしまう
・社員のストレスが高まる
・コストがかかる
意外とデメリットが多いのですが、実際に僕自身が監視ツールを導入されてテレワークをしている経験をお伝えします。順番に見ていきましょう。
テレワークのメリットが損なわれる
テレワーク監視ツールを導入する最大のデメリットがテレワークのメリット自体が損なわれることです。テレワークをすることのメリットは自分の時間を自分でコントロールすることでよりクリエイティブな仕事ができることです。それが監視されながら仕事をしてもより集中した状態に入ることができません。
加えて適度な休憩や少しの仮眠なども監視されていると思えば意識を切り替えることができません。テレワークだからこそ得られるメリットが監視されることで損なわれてしまうのです。
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生産性が著しく下がる
テレワークの一番のメリットは生産性の向上です。通勤で摩耗することなく午前のゴールデンタイムを最大限に生かすことや、思い切った休憩でリフレッシュできることで生産性を大きく向上させることができます。このテレワークのメリットを損なうということは生産性が大きく下がることにつながります。
監視ツールによってデスクに向かう時間を長時間確保する以上に生産性が下がってしまっては元も子もありません。監視された方が集中できるという人もいると思いますが、そういう人はテレワークに向いておらず、通常通りに仕事をしていても生産性の低い人です。テレワークをするのであればテレワークのメリットを生かす工夫をしましょう。
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管理が過剰になってしまう
監視ツールの導入をすることで社員に対する管理が過剰になってしまうケースが増えてしまいます。実際に僕が勤める会社でも管理職が社員の普段の様子をチェックするというような話が出たそうです。結果的に他の管理職がそこまでするべきでないとなだめたため、プライベートをさらけ出すという事態は免れましたが、実際には強要されてしまっている人もいるのではないでしょうか。
監視を始めてしまうと、踏み込んで良い境界線がわからなくなって行き過ぎた管理が生まれてしまいます。もちろん正しく管理できているケースがほとんどだと思いますが、会社ではなく自宅でのテレワークとなった分、プライベートに踏み込まれやすくなっていることは事実です。
社員のストレスが高まる
テレワーク監視ツールで常に監視されていると感じてしまうと社員はストレスがかかります。リフレッシュする時間も取りづらく、休める時間がありません。在宅で仕事をしている場合には外の空気に触れる機会も少なくなるの、より一層のストレスが溜まります。
コロナの影響でお家時間が増えている昨今でストレス対策は大きな課題です。そこに監視ツールを導入することは追い打ちをかけるようなものです。社員の健康に影響を及ぼす可能性もあります。
コストがかかる
監視ツールの導入には当然ですがコストがかかります。業務の生産性を下げ、社員にストレスをかけるものをお金をかけて導入するのです。加えて監視ツールを導入するまでに社員の工数が発生します。本当に必要なものなのかどうか、一度考えてみる必要があるのではないでしょうか。
テレワークに監視ツールを導入する理由
テレワークに監視ツールを用いることのデメリットが多いことがわかりましたが、それでも企業がテレワークに監視ツールを導入する理由を確認してみましょう。
監視ツールを導入する理由は主に以下の3つです。
・社員のサボりを監視する
・残業代を最大限に削減する
・適正な評価体制が整っていない
順番に見ていきましょう。
社員のサボりを監視する
監視ツールを導入する一番の理由として、監視をしなければ社員は仕事をしないと経営者は考えています。監視をすることで社員はサボることなく仕事に取組み生産性が上がることを前提として監視ツールを導入します。
上司が部下の作業状況を把握できると言えば聞こえは良いですが、きちんとマネジメントをしていれば監視ツールがなくても作業状況は把握できます。要は現場の社員を信用していないからこそ監視ツールが導入されるのです。
残業代を最大限に削減する
監視ツールを導入することで無駄な残業を抑制する効果があります。テレワークだからこそ移動時間も含めて時間を有効活用できるものの、その時間で無駄に残業をしようと思えばできてしまいます。それが監視ツールで作業状況を把握してしまえば余計な残業代を払う必要がなくなります。
組織には多くの人がいるため、無駄な残業をしている人も正直います。ですが、それもきちんとマネジメントをしていれば監視ツールを導入する必要はないものです。
適正な評価体制が整っていない
近年では年功序列の評価制度は減少し、成果に対して評価をする制度を取り入れる企業が増えてきています。しかし、コロナの影響で突然テレワークを導入するようになった企業では成果主義の評価体制が整っていないこともあり、相対評価の企業がたくさんあります。
相対評価をする企業でマネジメントがきちんとできていなければ、テレワークの際に適切な評価をすることができなくなるため、監視ツールで作業内容を全て把握したいという目的があります。
テレワークに必要なのは監視ではなく成果に対する評価
テレワーク監視ツールを導入することには多くのデメリットがあります。それでも導入を進めるのには社員を管理しきれない会社の体制があるからです。実のところ、突然テレワークに取り組まざるを得なくなって対応が追い付いていない会社は多く、そのような管理ができない会社や評価制度が整っていない会社では監視ツールを導入することで手っ取り早く社員を掌握することができます。
ただし、監視ツールの導入は社員に負荷をかける上に生産性が下がってしまいます。監視をすれば仕事をするという考えを改め、成果に対して正しく評価をすることができれば、テレワークのメリットを最大限に活かすことができ、プライベートも充実して仕事も頑張れるという良いサイクルが生まれます。
テレワーク監視ツールの導入は使い方を誤れば大きな弊害を生む可能性があるので、導入する前には社内体制などを含めてしっかりと精査したうえで進めるようにしましょう。